†01† 再会

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腕で顔をガードし、思わず目をつむる。 傷とか残らなきゃいいけどなぁ。 そう思っていたが、衝撃はなかなかこなかった。 変わりに聞き覚えのある声が、耳に届く。 「お兄さん、女の人に殴りかかるなんてつまらないですよー?」 声の主は、男の腕をぎりぎりと掴んで笑顔で言い放つ。 目には、怒りの色が浮かんでいた。 「この人達、俺の連れなんでどっか行ってもらえますかね?」 「なっなんだよ!男連れかよ!!だりぃな!くそっ!」 男は、手を振り払うと二人して逃げるように去っていった。 掴まれた男の方は、腕をさすっていた。よっぽど痛かったのだろうか。 私は目の前に立つ人物を驚いた表情で見つめる。 長身で、整った顔立ち、長すぎない黒髪のメガネの男性。 いかにも女の子に人気がありそうな容姿をしている。 というか、なんでここに……? 「あ、やっぱり!!千鶴さんじゃないですか!」 菜奈は、状況が読めず私と彼を交互に見ていた。 「佐倉……?なんでこんなとこいるの?」 「最近、転勤になりまして。ていうか、千鶴さん相変わらず口悪いっすね!なんか聞き覚えのある声がしたから来てみたんですが」 「そっか、助かった。ありがとう」 「けがとかしてないですか?」 「ん、大丈夫だよ」 淡々と進む会話に、付いていけない様子の菜奈が私の手を握る。 「あ、ごめんね、菜奈」 「彩、この人誰?知り合い?」
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