欠 落 、

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「お母さん、こないねー」 先生が、言います。 自分は、待つのがあまり好きではありません。 待つという行為自体はまだいいのですが。 「好きでない人間」に無駄な時間を取られるなんて。 誰だって耐えられないでしょう? どれだけ過去を遡ってみても。 母が時間通り迎えに来てくれた事実など、どこにも存在しないのです。 閉園ギリギリまで、貸し切りの遊具を堪能し。 幼稚園教諭の引き止めを振り切り、歩いて帰る。 それは、自分だけの日常でした。
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