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己れ以外の存在を
蹴落とし散らして来たのは
振り回されるのが
気にくわないから
その筈だった。
降りかかる火の粉を
振り払うのも煩わしい。
故に火の気のある所を
避けるように生きてきた。
その筈だったんだ。
今までは。
「なに、考えてるの」
「なんでもねぇよ」
いつもの勝負。そのあと。
陽が昇りきる頃に仕掛けた勝負は
沈もうとする手前で決着がつく。
毎回同じ結果だ
口に出すのも嫌になる。
何故勝てないのか。
それは勝つ気がないから。
それならば何故
勝負を仕掛けるのか。
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