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「はぐぅ…おぇぇ…」
誰かの頭が鳩尾にめり込んだせいで酷い声が出てしまった。
「湊(ソウ)ちゃん~」
「湊~」
「湊お兄ちゃん~」
と、三者三様の声と共に俺に抱きついてきた三人。
内心ウッハウッハなわけだが、変態という名の紳士のような振る舞いで内心を押し留める事に成功した。
「ちょっ、皆!
一旦落ち着いてくれ…グヘッ。
初対面でいきなり何なんだ!?」
「ピシッ」という音と共に、その言葉を聞いた三人が固まる。
「今…何て?」
ボーイッシュな女の子が言う。
「一旦落ち着けって…」
「その後!」
「グ……。
初対面でいきなり何してんだ…って」
「…え?初対面?
お兄ちゃんまさか、私達の事覚えて無いの?」
「う…ん?覚えて…る?」
まさか知り合いだったのか?
でも俺に限ってこんな美少女達を忘れるなんてある筈ないと思っ………あ!!
「そうか!黒崎さんちの三姉妹か!?」
黒崎さんちの三姉妹。
俺が小学校低学年まで、隣の家に住んでいた三姉妹だ。
俺より一歳年上の黒崎真央(マオ)。
同い年の凛(リン)。
一歳下の七海(ナナミ)。
皆暫く見ないうちに、すっかり可愛くなっちゃって…。
あたしゃ嬉しいよ…。
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