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とか言ったけど、俺は別に勉強が嫌いじゃない。
むしろ出来る方だ。
前の高校では学年2位の成績をほこっていたくらいだし。
…そういえば結局、一回も勝てなかったな…。
これがエ○ゲだったら確実に伏線になるんだろうなぁ。
なーんてな。
そんなこんなで明日の編入試験も、実はさほど心配していない。
まぁ、今日早く寝る事くらいかな…。
「…お兄ちゃん、もう寝ちゃうの?」
「え!?何でわかったの?」
俺の思考を読む七海ちゃん。
凛だけじゃなくて七海ちゃんにもそんな能力があったとは…。
俺これから滅多に妄想できないじゃん…。
「お兄ちゃんがちょくちょく時計を見てるから、そうなのかなーって…」
あ、なんだ。
そんな事か。
「そっか」
「でも今日はねさせねーぜ?
久しぶりの再開なんだから今日は語り明かそうぜ」
凛が目をキラキラさせながら言う。
「いやいや、明日テストだから」
「あら、じゃあお姉ちゃんと一緒に寝る?」
是非!!!!
…。
……。
………いけない。
これは絶対に口にしてはいけない気がする。
口にしたら俺の沽券とかプライドとか…その他諸々が消え失せる気がする。
上記の思考を0.75秒で終わらせた俺は、「だ、駄目だよ!」と答えておく。
「なんで?」
「だって…俺も男だから、真央姉さんみたいに綺麗な人に間違いを犯さないとも限らないし…ね?」
「…湊ちゃん!!」
そう答えた俺に、後ろから抱きついていた真央姉さんが凄まじい力を入れてきた。
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