プロローグ

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―10年前、祖母が死んだ― ―5年前、父が死んだ― ―そして今日、母が死んだ― 「あの子と関わった人は5年毎に1人死ぬ」 そう言われた俺には友達はおろか話し相手すらいない。 皆俺と関わる事を恐れた。 あまつさえ、俺についたあだ名は『呪われた子』。 そんな俺を自ら引き取ろうとする身内などいるなずもなく、俺は路頭に迷う事になった。 父親が死んでから、教育費だの生活費だのは全部母親が稼いでくれた。 もっとも、資格も何も持っていなかった母親がパートで稼げる金なんてたかがしれてるわけで…。 しかもその殆どがアパートの家賃とかに消えていて、今手元に残っているのは俺が中学生の時に「少しでも生活の足しにしよう」と、身を粉にしてバイトした時の少しの金のみ。 仕事をしようにも、白髪の高校生なんてどこが採用するんだよ…。 俺は…これからどうすればいいんだろう…? と、葬式場の隅っこでそんな事を考えている俺の名前は 黄瀬湊(キセミナト)。 身長180弱。 体重56。 それだけならどこにでもいる高校生だけど、俺にはコンプレックスがある。 それはさっきも言ったと思うが、髪が白いということ。 生まれた時からそうだったらしいので俺自身はもう慣れたが、他の人から見たらそうでは無いらしい…。
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