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ふと気がつくと、体育座りの俺の前に1人の女性が立っていた。
ショートカットの金髪で黒のロングコートを羽織った、今まで見たことないくらい綺麗な人だった。
「ねぇ」
女の人が俺に呼び掛ける。
「は、はぃぃ」
しまった…咄嗟だったので変な声が出ちまった。
「貴方、黄瀬湊くんでしょ?」
「そうですけど…どうして俺の名前を?」
「そっかーそれは良かった。
うんうん、なかなかカッコいいじゃん」
「はぁ…」
カッコいいと言われるのは嬉しいけれど……この人は誰だろう?
女性は僕の言葉をまるっきり無視して俺をじろじろ見ている。
暫くすると女性は意を決したように短く息を吸い込んだ後で、
「よし、決めた。
あなたは今から私の息子よ!!」
と叫んだ。
「は…?」
考えもしなかった言葉に、俺はただただ唖然とするしかなかった。
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