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「おい、クソババァ!
その若くて地味にカッコ良さげな男は誰だ!?」
ボーイッシュな方の女の子が額に怒りマークを浮かべながら怒鳴った。
かなり殺気が出ているにも関わらず、綾音さんは笑顔を絶やさない。
「え…ママ…まさか…」
守ってちゃんも心配と不安が入り交じったような表情をしている。
……心配も不安も同じか。
くだらない事を考えていると、綾音さんがゆっくりと口を開いた。
「私の新しい夫だけど?」
と。
ええええええええええ!!!
その場にいた綾音さん以外の全員が戦慄する。
「え…え!?
お母さん…ほんとに!?」
信じられないといった顔のバスタオルの女の子。
「お…お前ってやつは…」
プルプルと震えているボーイッシュな女の子。
「嘘…パパは…?」
震える声の守ってちゃん。
三者三様の反応を浮かべたが、ぶっちゃけ俺の方が驚いている筈だ。
「ね?」
そう言って俺にウインクする綾音さん。
話を合わせろってこと…か?
なにか取り返しのつかないような事態になりそうな気がしたが、美女のお願いを断れる筈も無く、流れで
「初めましてだね、俺の娘達よ!」
と言ってしまった。
「えぇーーー!!」
「あぁーーー!!」
「うわぁーん!!」
次の瞬間には、そんな声がこだましていた。
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