第一章:中学生になった!

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「そこを動くな。」 少年が静かに言う。 ───いや、こんだけ太い縄で縛られて動けるわけないから…。私は心の中で呟く。 とりあえず口をぎゅっと閉じる。 いつの間にか涙が止まっていた。 「俺は未来からやってきた。あと、俺はお腹が空いた。飯を持ってこい。」 ──はぁ!!!?なんなの、こいつ。未来とか、ご飯とか、バカじゃないの!!? 「…あなた泥棒なの…?」 ようやく私は口を開いた。目の前にいる少年から殺気が感じられない。 「いや。俺が言いたいことはこんなことじゃない。」 少年は真顔から焦っている表情に変わった。 「…ご飯なら一階にあるわ。」 私は下を指差す。 「だから泥棒じゃない。殺人しに来たわけでもないんだ。あなたを助けに来た!」 なんと今度は少年の目から今度は涙が出ている。 ……なんか、こいつ頭悪い…? ていうか、おかしい。少年がここにいる目的が全く見えてこない。 ちょっとイライラしてきた。もうさっきのような緊張はない。
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