第四章:ラーメン屋の店長を救え

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『15+2+3-40+3-21=』 「-38です!!!!」 先生がイコールを書き終えた瞬間にとっさに大きな声で言った。 私は新谷を見た。答えられなくて残念だったわねー♪ しかし新谷は笑っていた。 「ねぇ…不良でも複雑な計算できちゃうんだねぇ。」 「てゆーか今のはできるよな。誰でも。」 「ほんとほんと。」 「入学式でも目立ちたがるしラーメン食い逃げするし、でしゃばりすぎじゃね?」 「地味そうな顔なのにね。」 「学校もサボったらしいよ。」 ぼそぼそと周りが話す。 「皆さーん!畠山さんは正解ですよー?」 先生は話についてこれないようで少し困惑していた。 あまり教室は静かにならなかった。 …あ。もしや…私…嫌われてる? 皆のちょっとした視線が痛かった…。 この場にいなくなりたかった。 すると涼子が話しかけた。 「不良だって勉強できる奴はできるのよ♪ね、美佳。」 涼子の言葉に救われた。 「そ…そうよっ。」 私は初めて涼子に本当の笑みを向ける。
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