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「オレ…もうどうすりゃいいのかわから…」
タクヤの言葉を私が遮った。
「タクヤ、今おじさんに言いたいこと言いなさい。」
タクヤがえっ?、と小さな声で言う。
「人間はね…誰かに自身の気持ちを伝えるために言葉にしないといけないことがある。言葉で会話をするのは人間にしかできないことなんだよ。」
タクヤはまだわからない、という顔をする。
「おじさんは店長だけど、タクヤにとってはお父さんなのよ。
遠慮しちゃだめなのよ。
お母さんが死んでからワガママや本音を言わないようにしていたでしょ…?」
私はまだ話続ける。
「働くことも大事だけど…ね。
一応タクヤは中学生なんだから。
だから今まで言えなかったことを…おじさんに伝えて…。お願い…。」
タクヤはまだわからない様子だ。
なぜそれをしなければならないのかわからない。
大地もそう思っているらしい。
タクヤはおじさんの所に歩み寄った。
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