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私と大地はそっと外に出た。
大地が言う。
「一体なんで悪魔がいなくなったんだ…?」
「大地まだわからないの?」
私は呆気にとられた。
「悪魔なのよ。悪には愛しか勝てないわ。」
自分がこんなことを口に出すのは照れくさかった。
「愛?」
大地が真剣に聞き返す。
「愛はね、不思議な力を持ってるの。
愛を感じるとね、心がすごく暖かい気持ちになってね、それが勇気になったり生きる糧となる。
目には見えないものだけど……
だからこそ魅力があるのかも……。
それにさっきも言ったけど人間は言葉を言うために口がある。
口に出さないと伝わらないことだってある。
だからタクヤに言いたいこと全部言いなさいって言ったの……。
店が忙しいことは知ってた……。
だから、タクヤ本音言えてなかったのかなって思ったの……。」
私は長々と話した。こんなに話すのは生まれて初めてかもしれない。
「そうか…。愛は強いんだな……。美佳、俺、ちょっとおまえのこと見直した。」
大地が私の目を見て言う。
「えへへっ♪ありがとう♪」
大地に笑顔を向けた。
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