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「お名前は何とおっしゃるのかしら?」
お姉ちゃんがキッチンでお茶の用意をしながら大地に聞く。
「桜庭大地です…。」
大地が小さな声で言う。少し緊張しているようだ。私は大地の横に座って笑いをこらえていた。
「大地君…あなた、どこかすごく遠くから来た感じがするのだけれど…。」
お姉ちゃんの鋭い直感はここでも発揮される。
「え!?あー…まぁ…そうですかね?」
大地は動揺した。
お姉ちゃんはそれ以上何も聞こうとせず美味しいティーとクッキーを出してくれた。
『ピンポーン』
インターホンが鳴る。
「はーい!!!!あ、新聞の料金支払いですか?…二人で食べていてね。」
お姉ちゃんがお財布を持って玄関に行った。
「さすがタイプAだ…。」
大地が独り言のように言う。
「タイプAって何?お姉ちゃんは『しずく』っていう名前よ。」
「なぁ。美佳あの羽根一枚貸して。」
大地が手を出す。
私は大地にあの羽根を渡した。
何に使うのだろう?
お姉ちゃんが戻ってきた。
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