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お姉ちゃんが「お待たせ」と言って戻ってきた。
「スミマセン。しずくさんはこの羽根をどう思いますか?」
大地がお姉ちゃんに羽根を渡した。
──すると
白の羽根が突然金色に変わった──
…やっぱり前にお姉ちゃんが拾ったときに金色になったのは見間違いではなかったんだ…。
「そうね…。なんだかとても不思議な感じがする…。
優しい感じ…というか。ふわふわしているからとかではないの。
この前も美佳が落として私が拾ったときにそう思ったわ。」
「ちょっと!おまえ落としたのかよ!」大地が私に目を丸くして言う。
「ち…違う!!お姉ちゃんが抱き締めた弾みで落としただけよ!!」
「ごめんなさい、私の言葉不足で…。」
「あ、いや。こちらこそ大きい声だしてスミマセン。」
一瞬大地はお姉ちゃんが目の前にいることを忘れているようだった。
お姉ちゃんが大地に羽根を返した。
そして私の手に羽根が渡される。また白になった。
…どういうこと……?
タイプA、というのは一体なんだろう。
「…この羽根、色が変わるのね…。」
お姉ちゃんが私の手元の羽根を見る。
気のせいだろうか?まるで始めから羽根の色が変わるのを知っている言い方だったような…?そんなわけないか。
「あ、うん!最近のオモチャって進んでるよね~。」
私は胸ポケットに羽根をしまう。
しばらく三人は黙ったままクッキーを食べた。大地はお腹が空いているのか、食べるスピードが早い。お茶も3杯飲んでいた。
ガチャン
──玄関のドアが開く音がした。
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