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看護婦は、階段までも乳母車を押したままのぼってきたのです。
二人の距離はだんだん縮まっているように感じられました。逃げ場を失ったその中学生は目の前にあったトイレに逃げ込みました。
左から二番目の個室です。その個室の中でひざを抱え、震えていると看護婦の乳母車の音がだんだんちかづいてきます。
そして、トイレの入り口まで来ただろうと思われた時に「ガラガラ、ガラガラ、ガラガラ」と今までとはちょっと違ったリズムの音がしました。
中学生にもそれが、<看護婦が、トイレの入り口あたりを往復している音だ>ということがすぐにわかりました。
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