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「みゃあん」
「~~~かわいぃ!……ん?」
子猫と戯れながら、ふと気付いた。
(なんで、こんなところに子猫が?)
「迷子、かな?」
子猫の脇に手を入れ持ち上げ、顔の前に近づける。
「みゃあ」
「迷子?」
「みゃん」
返事した!?
………なわけ、ないよね。とにかく、恋杜に教えなきゃ!
ガチャ
「恋杜」
「どうした、椿」
「子猫が……」
「みゃう」
「子猫……?」
あ、まだ段ボールガタガタ言ってる……何か入ってるのかな?
「バスルームに、居た」
「バスルームに?」
「ん」
子猫は俺の腕の中で寝息を立てはじめた。
「……ねちゃった」
「(……クソ羨ましいな、あの猫)」
しばらく子猫の寝顔を眺めていると、段ボールの蓋の部分がミシ、と音を立てた。
ガバァ!
「「!?」」
「あー、苦しかった……て、お前さんたちいたんなら開けて下さってもいいんじゃないのか!?」
段ボールから出てきたのは
「理事長……」
「なんだい五十嵐君。サインなら後にしてくれたまえ」
「いらねぇよ!」
そう、理事長がいました。
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