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照れ隠しだろう、何時もよりぶっきらぼうに放たれた言葉に僕は口をつぐんだ。 ニヤは実はとても照れ屋だったりする、特に誉められることには慣れていないようで、前にしつこくほめすぎて、数日口を聞いてくれなかったことがあった。 「着替えてくるよ、すぐに夕飯にするから」 僕はニヤにそう告げると「あいよー」と寝そべりながら行儀悪く返事をするニヤを置いてリビングを出た。 脱いだコートをクローゼットのハンガにかけながら、気がつけば僕はまたため息を吐き出していた。 ニヤが進学しない、そう言いだしたのはたぶん僕のせいだ。 『僕は……嫌だな、君が居なくなってしまうのは』 北海道の方にある全寮制の学校。 そのパンフレットを眺めるニヤに僕はそう言った。 言うつもりはなかった、普段、頑なまでに本心を隠している僕なのに、その時は心から嫌だと思ったのだろう、気がつけばそんな言葉を口走っていた。
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