黒翼

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「今日の晩御飯、何かなー?」と呟き、小学4年生の竜は公園をあとにした。 竜は1日中友達と遊んでいたため、かなり疲れが貯まっているようだ。 ふと、とっくにオレンジ色に染まっていた夕日を見上げる。 夕日を見ていると何故か吸い込まれそうな気分になった。 「このまま、空を飛んであそこまで行けたらいいのに。」 竜は思わずそんなことを口にしていた。 ・・・・「その願い、私が叶えてさしあげましょう。」 急にそんな言葉が聞こえた。 気のせいかと思ったが、下を見てみると体が中に浮いているではないか! 「気のせいではありません。」 さっきと同じ声で確かにそう聞こえた。 上を見上げると・・・・ 天使のような姿をした綺麗な女の人が僕のうでを掴んでいる。 「あそこまで行きたいのでしょう? 連れて行ってあげますよ。」 そう言う女の人の背に、 何か翼のようなものが生えているのに竜は気付いた。 ただその翼は黒かった。 まるで闇のように。 ・・・・「行ってはいけない!!」 急に下から声が聞こえた。
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