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部室の前に着いた時、勢いよく飛出して来た男子生徒とぶつかってしまい、夏美は転んでしまった。
「あっ、安倍さん!ごめんね、大丈夫かな?」
「は、はい、大丈夫です」
えっと?この人誰?何で私を知ってるの?
夏美が怪訝そうな顔したことに、彼はクスッと笑った。
「俺は、三年の松本順(まつもとじゅん)っていうんだ。俺と栗本光一とは、仲が良くてさ。よく安倍さんのことを、聞いてた」
「えっ!?光ちゃんが私のことを、先輩に言ってるんですか?」
光一とは家が隣同士で、しょっちゅう行き来するくらい、気心の知れた幼馴染みだった。
よく見ると松本先輩は、身体の線が細い人で、にこやかな感じだ。
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