気になる先輩

8/9
前へ
/9ページ
次へ
   逃げ出しちゃって、何やってんだろう。佐野先輩、嫌な子だって思ったかな?      私は人が来たので、更に俯いて歩いた。お互い前をよく見てなくて、ぶつかってしまった。       痛ーい!今日は人にぶつかる日なの?余りの痛さに涙目になる。       「痛っ!てめえっ!俺の骨が折れたらどうすんだよ!!腹立つ女だな!消えてしまえ」     怖くて起き上がれないよ。この人酷いよ。泣くもんか、そう思ったのに、涙が出てきた。      「そこの一年の男子!余所見して廊下を走るな!」      「うわっ!すみませんでした!」        声がする方を振り向くと、佐野先輩が私とぶつかった男子を注意し後、私の所へ来てくれた。       「安倍、立てるか?また派手に転んだな。膝が擦りむけてるぞ」        何で先輩、ここにいるの?私のことを気に掛けて追い掛けてきたとか?まさかね……。      「俺は安倍の後を追って、来たんだ」        「えっ!?」         
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加