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逃げ出しちゃって、何やってんだろう。佐野先輩、嫌な子だって思ったかな?
私は人が来たので、更に俯いて歩いた。お互い前をよく見てなくて、ぶつかってしまった。
痛ーい!今日は人にぶつかる日なの?余りの痛さに涙目になる。
「痛っ!てめえっ!俺の骨が折れたらどうすんだよ!!腹立つ女だな!消えてしまえ」
怖くて起き上がれないよ。この人酷いよ。泣くもんか、そう思ったのに、涙が出てきた。
「そこの一年の男子!余所見して廊下を走るな!」
「うわっ!すみませんでした!」
声がする方を振り向くと、佐野先輩が私とぶつかった男子を注意し後、私の所へ来てくれた。
「安倍、立てるか?また派手に転んだな。膝が擦りむけてるぞ」
何で先輩、ここにいるの?私のことを気に掛けて追い掛けてきたとか?まさかね……。
「俺は安倍の後を追って、来たんだ」
「えっ!?」
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