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「放課後から、早速に仕事の割り振りするからな。質問等のアンケート用紙だ。直ぐに記入して出してくれよ」
「あの……私は部を辞めようと思っていて」
私は涙を拭いながら、ふるえる声で言い俯いた。とても、佐野先輩の顔を見れなかった。
「どうして?理由はどうあれ、自分で決めて報道部に来てくれたんでしょ」
「それは、そうですけど」
先輩は何で優しい声で、そんな事を言うの?すごく、礼儀のない子だって怒ってるんでしょ?
「安倍、報道部は結構忙しくて大変だけど、やり甲斐はあるよ。一緒に部活しよう」
「えっ!?あ、えっと……はい。よろしくお願いします」
佐野先輩は、怒ってなかった?こんな私を引き留めてくれるなんて、思ってもみなかった。すごく、嬉しい!
私はこの時、一生懸命に部活しようって決めた。逃げ出したら、絶対、後悔するって思った。
「安倍、よろしくな。さあ、保健室行こう。膝が大流血だぞ?」
「えっ!血が出てるの!?やだ、やだ!あれ?ちょっと擦りむけてるだけ……もうっ、びっくりしたぁ」
「ははっ、嘘。ビビったか?まあ、一応、消毒しとくか。けど安倍、さっきより元気そうだな?」
佐野先輩は、ニヤッと笑った。ひどーい!私はすごく、びっくりしたんだからー!
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