当たり前からの絶望

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偶然ママのお兄さんが埼玉から帰ってきていました。去年大腸癌で手術し、初期だったので転移もなく今は元気なおじさん。父はおじさんに話してくるからと電話をかけて会いに行きました。あたしはどうやって部屋に帰ったか覚えていません。気付いたらタオルが一枚ぐっしょりと濡れていました。人間て涙の限界ないんだなとふと思いました。ママは仕事に出掛けていました。家事も仕事も完璧にこなしてあたし達三人を育ててくれたママ。お昼休みにいつも帰ってくるので泣いてるのを見られると勘がするどいママは気付くのでみんな部屋から出てこないようにしました。
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