当たり前からの絶望

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昼休みママが帰ってきました。「うどんでいいかな」母の声が聞こえました。父は精一杯いつものように接していました。あたしは無性にママの顔が見たくなってドアの隙間から覗きました。後ろ姿が見えました。思えば去年、高血圧で入院した後急激に痩せました。中年太りということばには程とおいママの後ろ姿が見えました。見てたらまた涙がとまらなくて声が出ないように口を手で隠してでも見たくて見てたら父が「明日別の病院にも一応行こうな」と母に告げました。「仕事あるから行けないよ」「仕事今日でやめてこい」「今日とか無理に決まってるじゃない!」争っていました。母は14年間個人で問屋をしているところの事務をしていて責任感が強く自分がやめたら会社が困るから!と言い張りました。
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