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「ふぁ~」
ベランダから部屋に入った大樹は大きなあくびをした。
時刻は十二時五分前になっていた。
「唯菜、俺そろそろ寝るけど寝室勝手に使っていいからな」
「えっ!?なら兄さんはどこで寝るの?」
「俺は布団敷くのも面倒だし、ソファーで寝るよ」
「……兄さん……その、い、一緒に寝ない?///」
「へ?」
「ひ、久しぶりに///兄さんと一緒に寝たい……ダメ?……///」
「あっ……いや、ダメじゃないけど……」
唯菜のおねだりには昔から弱い大樹は一緒に寝ることを了承した。
ちなみに唯菜は唯菜で大樹のおねだりに弱い。
「ありがとう兄さん」
唯菜の嬉しさ満点の笑顔はとてつもなくまぶしかった。
寝室にはベッドがある。しかしこのベッド本当に一人暮らし用のベッドなのかと思う。
大人二人用の大きさであった。
しかしそこはやはり高級マンション並みの学生寮である。
「何年振りだろうな?こうして二人で寝るのって?」
「三、四年振りくらいかな」
夏ということで薄い掛け布団一枚に二人で入っている。
唯菜は大樹の左腕に抱きついていた。
「(うっ、胸の感触が……)」
「暑い?」
「いや、大丈夫」
大樹は正直暑かった。
しかしなんと言ったらいいものか。
暑苦しくというわけではなかった。
「兄さん……おやすみ」
「おやすみ……」
二人は眠りについた。
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