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「あっそうだ……これミー姉からだよ」
唯菜はバックと一緒に持ってきたビニール袋を大樹に渡した。
中には白い箱が入っていた。
その箱を開けると手作りのチョコレートケーキがでてきた。
「ミーナは元気か?……」
「うん元気だよ。兄さんこっちに来てから、ミー姉に一回も連絡してないんだって?」
「まぁ、いろいろ忙しくて時間がな……」
「なら兄さん、後でケーキのお礼するんだよ」
「お、おう……」
ミーナとは大樹の故郷にいる幼なじみである。
大樹より一歳年上の彼女は魔法学校卒業後に回復術の才能をかわれて、魔法界の最高医療団体の【ヒーラーズ】に所属することになった。
大樹の態度が少しぎこちないのは二年前の事件にミーナも関わっているからだ。
「さて、そろそろ夕ご飯の時間だよね?」
「あっ、そーだな。食堂に行くか?」
「んー……ちょっと冷蔵庫見せて」
大樹が了承すると唯菜はキッチンの横にある冷蔵庫を開けた。
大樹はいつも食堂で食べているため、食材は何も入ってなかった。
「今日は私が作ってあげたいから近くのスーパーで食材買ってくるね」
「おっマジでか!久しぶりに唯菜の手作り料理が食えるのか。よし、俺も買い物付き合うぞ。美咲はどうする?」
「私はここでくつろぎながら待ってる」
すでに美咲はソファーで横になっていた。
大樹は留守を美咲に任せて唯菜と一緒にスーパーへ向かった。
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