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スーパー。
「~~~~~っ♪」
唯菜は機嫌がいいのか鼻歌を歌っていた。
「唯菜、今日は何つくってくれるんだ?」
「知りたい?」
「おう」
「んーっとね……今日の夕食は……ヒ・ミ・ツ♪」
「なんだよそれ~」
周りから見ればぶっ飛ばしてやりたくなるぐらいのいい雰囲気をつくっていた。
「あらら~大樹君また新しい女の子ですかい?」
話しかけてきたのは要だった。
「か、要!ちげーよ、俺の妹だよ」
「妹?……」
「そーだよ、唯菜っていうんだ」
「またまた~こんな可愛い娘がお前の妹なわけねぇーだろ」
「どーゆー意味だよそりゃ」
要の言うとおり大樹と唯菜は似ていない。
ルックスは良くない大樹に比べて唯菜はかなりの美少女。
「まぁいっか、俺は那波要。よろしくね~、可愛い妹ちゃん」
「い、唯菜です。兄がお世話になっています。よろしくお願いします」
「いい娘だな~、じゃあな大樹」
要はそう言うとスーパーを出た。
「俺の友達、イケメンだったろ?」
「うん」
「ちょっとオッチャラケてるけどいい奴だぜ?……どうだ?惚れたか?」
「惚れてない!……兄さんこそ……気になる女の子とか……いるの?」
「な、なんだよ急に」
「どうなの!?」
「別にいねーよ」
「……本当に?」
唯菜は迷子の子犬のような目で大樹を見た。
「本当だって、美咲も腹へってるだろーからさ、早く帰ろうぜ」
「うん」
二人はレジに向かって会計をすませた。
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