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「“もしもし……どちら様ですか?”」
久しぶりの幼なじみの声。大樹は懐かしさと不安を感じた。
「えっと……ミ、ミーナその」
「“大樹?……”」
「う、うん……久しぶり……」
「“大樹なのね!久しぶり!全然連絡くれないんだもの、元気にしてた?”」
「お、おう……」
「“良かった、ケガとかしてない?”」
「えっ?……ちょっと今骨折中……」
「“骨折!?……はぁ……どうせまた何か無茶したんでしょ?大樹は昔からめんどくさがりのくせに、変なとこで必死になるんだから”」
「ご、ごめん……」
「“……でも元気にしてるなら良かったわ”」
どうしてミーナは俺なんかに優しくしてくれるのだろう。
俺なんかに……。
大樹はミーナの優しさが嬉しいはずなのだが辛かった。
いっそのこと冷たくあしらってくれた方がどんなに楽かと思った。
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