プロローグ~終業式~

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「あ~ん」 朝っぱらから寮の食堂でストロベリーな展開をおっぱじめてるのはこの物語の主人公風見大樹とそのクラスメートの森川美奈穂だ。 なぜ、こんな展開になってるかだって? それは昨日大樹が去年の魔法界男女混合格闘技大会の優勝者ヴェイ・ギールに利き手である右腕の骨を折られてしまったからである。 大樹も美奈穂が「私がご飯を食べさせてあげます」と言ってくれたときは恥ずかしくてたまらなかった。 しかし昨日頑張ったから今この至福なひと時を満喫しようと思った。 美奈穂自身は優しい性格で今の自分の行為はただの人助けとしか思っていない。 「な、なんだよ?」 甘ったるい光景を見せつけられている大樹の友人、要、亮、潤はつまらなそうな顔でこちら見ていた。 「「別に……」」 亮と潤は冷めた返事をかえした。 「皆さん今日は元気がないですね?あっ、風見さんお口開けてください、あ~ん」 「あ~ん(あ~幸せだ~)」 大樹は口元がゆるみまくっていた。
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