国家機密

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「麻薬密売、殺人容疑で逮捕だ一応、死人にも手錠かけないといけないから、悪いな…掛けさせてもらうわぁ」 ビル前ー… ビルの前には何台ものパトカーや護送車、救急車が並んでいた。 その中に 丸刈り頭で、顎には髭、体つきは一見、普通なのだが実は筋肉質な体をしている男が、疲れきった顔で空を見上げながら、タバコを吹かしていた。 「よぉ、秀人!!今日も大活躍だったらしいな」 疲れきった男の目の前に、華奢(きゃしゃ)な体つきでメガネをかけた男 "山崎 啓太"が話しかけてきた。 「お前もハッキングで、コンピューターで制御された部屋を開けたんだろ?それも大活躍だよ」 「そうか?ありがとよ」 啓太は右手に持っていた缶コーヒーを秀人に渡すと 「おっ!ありがとな」 と返事を返した。 パトカーや救急車が行き来する中、二人は左手に缶コーヒーと右手にタバコを持ち、一息入れ始めた。 缶コーヒーを一口含むと、啓太が 「あっ、そうだお前知ってるか?」 「ん?」 秀人は啓太の言葉に返事を促した。 「最近、変な病原菌が流行ってるらしいぞ…何でもそのウイルス、体の内側から焼けるような熱さが襲うらしいぜ…」 「へぇー」 啓太の話しに秀人は興味なさげな返事を返し 「で、その内側は焼けてる訳?」 少し小馬鹿にした様子で啓太に聞くと、真顔を秀人に近付け 「それがよ…ないんだ」 「何が?」
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