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「昨日は、太った男が斧を持ってやって来た。あの男は吐き出す息に凍り付くと、谷底に落ちて砕けてしまった。
その前は、赤い羽根のナイトだったな?
今日はいったい、どんな連中がやって来るのか?
ああ。いったい何時まで、こんな日が続くのだろうか……?」
と、宙に向かって語りかけても、聞いているのは風ばかりだ。
「人間とは、なんと煩いモノだ。
何度きても、骨になるばかりだというのに……懲りずにやってきては、木々を汚していく。
俺はまだ、角さえ生えていないというのに……。
俺の寿命は、1千年か?3千年か?
そんな長い間。俺は、脆いクセに好戦的な人間どもの相手をしなければならないのか……?」
ドラゴンは氷の溜め息を付いて、尾の間に鼻の先を隠した。
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