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ガラガラと岩の崩れる音がして、ドラゴンは目を覚ました。
やってきたのは、大勢の共を従えたまだ少年から抜け切らぬ若い男だ。
よほど身分が高いのか?幾人もの兵士に支えられ、半ベソをかいて……足場を探しながら、上へ上へと登ってくる。
彼が小石を爪で弾くと、それは岩雪崩となって、下へ下へと落ちていった。
兵士達はたまらず、岩から手を離す。
首を伸ばして一声吼えると、へばりついていた残りの兵士もわらわらと落ちていき……眼下は死体の山となった。
次の朝が来ても、ドラゴンの心は晴れず。居心地の悪さに、洞の中をあちらこちらへ体を動かし。
やっと上半身だけ外に出して両の足に顎を乗せると、とろとろと舟を漕ぎはじめた。
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