136人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
~高知・春~
『ふぅ~。もっと大きな木と思っていたけど、たいしたことないわね。』
『美紗ちゃんは小学校の頃はチビやったきね~。この木が余計に大きゅう見えて、良くぼやいちょったぜよ。』
『誰かさんが、ヤギの乳を飲めば大きくなるっていい加減なこと吹き込んだんでしょ?バッカじゃないの。まぁ信じる方も信じる方だけど。』
『いやいや、あれは、牛乳がいいなら、ヤギでも変わらんやろうと思うたがやき。まぁまぁ・・・。しかし、やっぱりハチキンやなぁ。言うことハッキリしちょるわ。』
(※ハチキン・・・南国土佐のはつらつとした女性の呼び名。)
彼女は、優しい人に命を助けられ、今は東京で働いている。
ここで生きた母の想いを確かめるために、その家を訪れたのである。
最初のコメントを投稿しよう!