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「とにかく指輪は前ので十二分よ!もう外さないからそれはお店に返して」
指輪をはめられないように指をくねらせながら京が言うから笑ってしまった。
「僕に恥をかけと?指輪を返品する程に経済困難に陥っていると世間に吐露しろと?指輪も受け取って貰えない程に京さんに愛されていないことを暴露しろとでも?」
「違っ、そんなんじゃな――
「なら受け取って下さい。二つ嵌めてもおかしく無いデザインですから」
おかしいのは指輪じゃなく俺の頭だ。
「―――――分かったわ。だけど無駄使いはこれきりにしてね……夜知、もう一時間たったわ。先方を待たせるのはいけないことよ。行って」
「そうですね。真も大変でしょうし」
俺の嫌味に京は困った顔をして俯いた。
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