自殺日和

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 ビルの屋上。  君と僕。  空っ風。  フェンス越し。  君は下を見ながら。  車の通りが激しい  下を見ながら。  君は一言。 「自殺日和だね。」  僕は答えなかった。  君は言った。 「じゃあね。」  僕は答えなかった。  そして、  君が視界から消えた。  すぐ下で  悲鳴。  遅れて  サイレン。  僕は下を見た。  ぐちゃぐちゃになった  君の顔からは  何も分からなかったけど、  どこか  うれしそうだった。  
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