6076人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、教室へ入ると昨日とは少し空気が違っていた。
それぞれがグループを成して固まっている。
あたしはその中で昨日話をしためぐみちゃんの姿を探していた。
五、六人の女の子の集団の中にめぐみちゃんの姿を見つけて、声を掛ける。
「めぐみちゃんおはよっ」
「あ、おはよー」
一瞬振り向いて挨拶してくれたものの、すぐ輪の中の話に戻っていってしまった。
あたしは自分の席に向かう。
後ろから声がした。
「めぐの友達~?」
「ううん、昨日ちょっと話しただけ」
「そっか~」
微かに聞こえた会話。
確かに、そうだけど。
声、掛けないほうがよかったかな?
なんとなく、あたしは振られてしまったような気持ちになりながら、自分の席についた。
あたしとは友達になりたくなかったのかも。
……もう話し掛けないほうがいい、よね。
なんとなく、めぐみちゃんにまた声を掛ける気になれなくて、あたしは他の子に声を掛けることにした。
でも、結果は同じだった。
声をかければ返してくれる。でもそれだけ。
その先へ発展しない会話。
みんな必死に見えた。
はぐれないように。
一人にならないように。
最初に決めた子としか行動しない。
群れてなきゃ行動できないの?
ばかばかしい。
そう思っても、やっぱり一人は辛かった。
最初のコメントを投稿しよう!