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考えれば考えるほど涙が出そうになる
そんな思考をごまかしたくて、ビール片手にベランダに出て夜空を見上げると、真ん丸な満月と小さな星が離れてぽつんと浮かんでいて‥‥‥
それがなんだか、アメリカで自分の夢を実現している仁と、そんな仁を心から応援できていない惨めで小さな俺に見えて、少しセンチメンタルな気分。
「会いたいよ、バカ仁…」
白い溜め息と共に呟いた言葉は、暗い夜空に吸い込まれた。
しばらく夜空を眺め、寒くなってきたから部屋に入ろうと思ったと同時にポケットに入っている携帯が鳴った。
着信―――赤西仁
俺は即効で電話に出た。
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