Kside

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「ねぇ、じん?」 「なに?」   「今年の誕生日に会えないぶん、来年も再来年も十年後も、ずーっとずーっと俺の隣にいてね?」 「和也…」 甘えたな俺に、仁はビックリしてるみたい。 「じぃん?返事は?」 また甘えるような声。 仁がふっと微笑んだ吐息が聞こえた。 「…もう仁なんかいらないって言われても、ずっと隣にいる。 お前がよぼよぼのジジィになっても、死ぬまで毎日可愛い、好きだよ、愛してるって言ってやるから覚悟しろよな」 「ふふ、いらないなんて言わないよ」 「‥‥‥愛してるよ、和也」 「俺も愛してるよ、仁」 21歳の誕生日にお前は隣にいないけど、きっと来年の誕生日は、再来年の誕生日は、これからもずっとお前は側で笑ってくれてるはずだから――― だから、「会いたい」の代わりに「愛してる」を捧げよう。 君はこれからもずっとずっと、僕の愛しき恋人。
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