BLACK LAGOON

＜東京都新宿区 役員第二会議＞

「旭日重工創立以来、最悪の事態だ。資材部、景山部長！」

「その後の状況をざっと説明しますと…
ブーゲンビリア貿易を名乗る商社より“ディスク”の件に関して交渉したいと連絡が…」

「聞かん名だ。なんだねその会社は。」

「東南アジアから中国マフィアを追い出し、裏社会のトップに踊り出た…ロシアン･マフィアの表の顔ですよ」

「具体的に何を求めておるんだ、連中は。金か？」

「連中の狙いは我々の取引先が持っている、東南アジアへの非合法ルートでしょうな」

「つまり？」

「我が社の進める密貿易の計画に自分たちも一枚噛ませろ、といっとるわけですよ」

「さもなくば密貿易のことを証拠（ﾃﾞｨｽｸ）付きで世界にバラまくぞ、とね」

「マフィア共は未だディスクを入手しておらんのだろう？」

「現在ディスクは『めらねしあ丸』を襲った海賊共の手にあります」

「チャンスですよ、専務。マフィア共の口約束など信頼できません。荒事専門の連中を叩き込み、速やかにディスクを奪還すべきです」

「わかった。役員会は君にこの件を一任する」

「連中には交渉する構えだけ見せておき、その間にディスクを奪還…もしくは破棄したまえ」

「旭日重工の存亡の危機だ。手段は問わん」