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するとカズヤは椅子から立ち上がり、ユウコの弾く調律とボクの奏でる旋律に合わせ、紳士な態度で一礼をし、真っ直ぐユウコの所に向かって一歩ずつゆっくりと歩き出した。
「!?」
ボクはカズヤの行動に唖然とするも、ユウコの調律に何とか合わせようと必死になっていた。
カズヤがユウコの前に立ち、さらに一礼をし彼女の手を取ってボクの方を向き再び笑顔をこぼした。ユウコもそれにつられてカズヤに向かって一礼し、スカートを片手で軽く持ち上げボクにお辞儀をする。
どうやらカズヤとユウコは、ボクをからかっているらしい。
「、、お前らー!」
「フフッ♪」
彼女の弾くオルガンの調律、「ド」の音の繰り返し。その音の上で、ボクの奏でるリコーダー。
そのハーモニーは、あの有名な「結婚行進曲」。
ボクはカズヤに、またいつもの嫉妬をして、ユウコはそれを見て笑っている。
そんなユウコを見てボクも、つられてカズヤを追いかける。
「待てー、カズヤー」
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