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「ねぇねぇ、どこに向かうの?
そういえばあたし何にも知らないや。」
リリルラはエクル達の目的を昨日は爆睡していたし、聞きそびれていた。
「ん?
あぁ、もちろん仕事の依頼さ。
ここには途中で寄っただけ。
次の街が目的地だよ。」
「次の街ってどこ?」
「え?
えぇ~…とねぇ…。
その…。」
エクルが解答に困っていると、エレナが助け船を出してくれた。
「むやみに情報は口にしちゃいけないの。
だから内緒よ。
着いてからのお楽しみね。」
昨日エクルはリリルラが寝ている間に、危険な旅にリリルラを連れていけないから途中で撒こうとエレナに提案していた。
エレナもそれには賛成した。
リリルラはエレナの言葉に不満そうだが、渋々納得した。
「お楽しみねぇ…。
ガキじゃないんだから…。
ま、いっか!」
そう言うとリリルラは頭の後ろに手を回し、足を組み、飛びながらリラックスポーズをとってフワフワと移動した。
(コイツが単純で良かった。)
エクルは心からそう思った。
街で旅に必要な物を補充し、エクル達は街の外へ向かった。
街の出入口の門の所まで来ると、エクルは空を見上げる。
空は快晴。
丁度その時エクル達の出発を祝福するように、一陣の風が吹いた。
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