絶望

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瑠璃 25歳 彼女は、様々な人生経験の末、 未来に希望を持てなくなっていた。 それまでの彼女は、仕事も恋愛も充実に過ごし 日々 輝いていた ある日 彼女は、会社から独立しようと決め 自分の会社を建ち上げるが、失敗の連続で倒産する羽目になり、彼女は奈落の底に堕ちた。 残ったのは、多額の借金だけ… 彼女は全てに絶望し 自殺をするべきか日々 家に閉じこもり考えるようになった。 家賃も払えず あと一週間で立ち退きしなければならない状況になった、ある日 部屋の隅に 小さな穴を見つけた。 「あの穴の中に、お金が詰まれてないだろうか?」 と 少し下心を出しながら 穴の中を恐る恐る覗いみた 穴の向こうには、背を向けている人がいる 「何をしているの?」「隣の人?誰なの?」 瑠璃の部屋の隣は空き家なのだが、瑠璃は少し頭の中が混乱していた 暫くして、背を向けた人は立ち上がり 小さな机に向かって本を読み始めた 横顔が少し見える 頬がこけている 全体的に やつれてるようだ 顔色が青白い… 瑠璃は 声をかけようか迷った。それは 穴の向こうの人の孤独感が自分と似ているものがあると感じたからだ 「声をかけてみたい。だけど怒られたらどうしよう…」 瑠璃は迷っていた 迷うこと10分… 瑠璃は声をかけることにした 「怒られたらそれまで。駄目元でいこう。」 瑠璃は覚悟を決め 勇気をだして声をだした 「あ…あの、聞こえますか?」 ・・・・・気付いてないようだ… もう一度 「あの!」 「!?」穴の向こうにいる人が声に気付き 顔をキョロキョロしだした 「誰かいるの?」 瑠璃は 再度 「ここです!わかりますか?穴の中です!」 「え?どこ?」 「ここです!」 「あっ!」 ようやく瑠璃に気付いた 「あなた誰?」 瑠璃は、その質問に一瞬 何て答えようか考えた 「わ…私はここの住人で…部屋に小さな穴があって覗いたら、居たので、つい声を…」 瑠璃は、とりあえず名前を名乗るのを避けた 「住人?本当に?」 目を細め瑠璃を睨むようにみた
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