絶望

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瑠璃は少し 自分が疑われてるのでは?と動揺しつつ、「本当」だと答えた すると穴の向こうにいる人が 少し声をあらげた 「何これ!嘘よ!そんなはずないわ!人がいるはずない!」 「そんな…本当です」 瑠璃の 本当 という言葉に、穴中向こうの人は、 反応して 声をもっとあらげた 「隣に人はいないはず!あなたは存在しないはずよ!」 彼女は次第に怒り始め、読んでいた本を穴に向かって投げ付けた そして彼女は 瑠璃の側まで駆け寄り、瑠璃を怒鳴りつけた 「あなた本当は誰なの!」 瑠璃は彼女の姿に引いてしまい 穴から離れベランダにでた 「あの人は、灰色の服を着ている。部屋は狭い感じだし牢屋のようだった…」 瑠璃は、もう一度穴を覗くことにした 穴から見えたのは、暴れている彼女を看守達に連れられている場面が見えた 「いやーっ!」彼女は泣き叫ぶ… 看守達は棒で彼女を殴りつける… まるでリンチのように… 瑠璃は声も出ず、ただ呆然と見ているだけだった 彼女のいない牢屋に彼女の泣き叫ぶ声だけが響いていた… 瑠璃は、胸が苦しくなり、穴のある部屋から逃げるように出た 「あの穴はなんなの?何が起きてるの?一体どうなってるの?」 瑠璃は、ようやく あの穴に疑問を抱き始めたのだった 荒い呼吸 動揺してる心を静めるため瑠璃は、冷蔵庫にある酎ハイを飲んだ そして 仮眠をとることにした。 ・・・・・・・眠れない・・・・・・ 瑠璃は気晴らしに散歩に行くことした 夕暮れ時の街並… みんな 忙しそうにしている… 私も そんな日があった… 生きる喜び 働く喜び を最も実感した時だった… あの日に帰りたい… どうして周りの忠告を聞けなかったんだ… 瑠璃は俯きながら、トボトボと近所の公園のブランコに腰掛けた 「あの穴は…私…これからどうしたら…あと一週間か…」 瑠璃は友人に穴のことを相談しようか考えたが、今の自分の状況を考え相談するのをやめた。 瑠璃は人に弱みを見せるのを嫌うプライドの高い女なのだ
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