Prologue

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僕は仕事も辞め、お酒も辞め、ロクに食事も取らずに いつ死んでもおかしくないような、そんな生活を送っていました。 いえ、もしかしたら当時の僕は自分の死を望んでいたのかもしれません。   僕は全てを失ったのだと思い込んでいました。   自分を悲劇のヒロインではないですが、そのような何かに祭り上げようとしていました。   それが、人々の同情を買いたかったからなのか、なぜだったのかはもう今の僕には分かりません。   ――しかし、僕は自分が全てを失ったわけではなかった事を知りました。   僕にはまだ、頼れる仲間がいたのです。   祐希、彼にはいくら感謝しても感謝しきれないほどです。   彼は僕に、自分の命の灯火が少しでも残っている限り、精一杯もがき続ける事を教えてくれました。   あの頃の僕に、彼のような強さがあれば、貴女を救う事が出来たかもしれない、 そう思うと悔やんでも悔やみきれない気持ちです……   ――あの頃の僕は本当に馬鹿で、弱虫で、他人に流されてばかりで……   短い間だったけれど、こんな僕を支えてくれて、本当にありがとう。   月並みな言葉だけど、この言葉が今の僕の感謝を一番的確に表しているような気がします。   一緒に笑い、泣き、喜び、悲しみ、時には融通のきかない君とケンカもしたりして……   ――貴女と過ごした時間の記憶は僕の一番の宝物です。   ――でもやっぱり、過去を思い返すともう一回会いたいっていう気持ちも出てきちゃうな・・・   僕は本当に君のことが好きだったみたいだ。  
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