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「それに今日みたいに、あんたが抑えてくれるんでしょ?」
隣で歩くは、我が部の若きエースピッチャー。
「是非ともまた、ノーヒットノーラン達成よろしく!」
私の嫌味無い台詞に、本日の勝利投手は、本日初となる幼い照れ笑いを見せる。
「……もちろん先輩は、猛打賞ですよね?」
彼女の要求に、私は精一杯の苦笑いで返す。
でも、なんだか打てそうな気がするのは何故なんだろう。
私にとって最後となる地区予選まで、
一週間を切ったある日……
――天才と呼ばれる彼女の内面が、
ほんの少しだけ見えたある日のこと。
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