一章:日常

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全ての授業が終了し、ホームルームも終了。普段の生徒ならこれで下校…とするとこだが俺は授業中に寝そびれたことからか、下校する気にもならん程に睡魔が襲ってきていた。 「あ~~…」 と気の抜けるような声を出してもやはり眠いものは眠い。とりま仮眠をすることに決めた俺は机で俯せのまま寝入ろうとした。 「航樹ぃぃiihh!!」 おや、妙な奇声が…幻聴? 「何が妙な奇声だ!!」 …海斗ですね、解ります。 「その通り!つーか起きろよ!下校しないのか~?」 「ん~…いや…、授業中に寝そびれてね。一旦仮眠して下校しようかと…」 「ちょ…お前なぁ…ちゃんと家で風呂に入った後に歯磨きして寝なさい」 「五月蝿いよお母さん。この年頃の男の子は複雑なの。だからそっとしといてください」 「そんなことはママの権利で関係ありません。さぁ、帰るわよ坊や」 「嫌ですよお母さん。そろそろ親離れの時期なんです。これは一種の自立なんです」 「我が儘言うんじゃありません。そんなことでは社会のクズになるわよ!」 「お母さん、僕は…いや俺は……敢えて言おう…クズであると…!!」 「……で、結局まだ帰らないんだな?」 「ダッツライト海斗。少し寝て帰るわ」 「……仕方ない。付き合ってやるよ。どうせ俺も暇だし」 「ハハハ、流石は俺の古くからの戦友だ」 「ハッハ、俺もそう思うよ。さぁ~て寝るかぁ~…」 そして俺達は机上で眠り込んでいった………。
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