一章:日常

3/6

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「………ん…ぅん……ん?」 目を覚ました俺は教室内をぼんやりした頭で見回し、違う席で俯せで爆睡している海斗が目に映った。 「俺よりも爆睡してるし…」 半ば呆れた俺はふと外の方へ目を遣ると、外はもう暗く、更に教室内の時計に目を遣ると針は八時半を指していた。 ……寝過ぎですね、解ります。 とりま俺は海斗を起こしに歩み寄った。 「お~い海斗、起きろよ~もう八時半だぜ~~?」 「んぁ~~?………八時半!?」 と、ガバッと起きる海斗は中々面白い。 「面白くねぇよ!」 で・た・よテレパシー…本当に何なんだ君は…。 「それより帰ろうか海斗」 「おぅ、すぐに帰ろう!…しかし…夜の学校…不気味だよなぁ…」 「何言ってんだ。俺にはテレパシー使うお前の方がよっぽど不気味ですよ」 「違うよ、これは推理。真実はいつも」 「へいへい。おら、教室のライト消すぞ~~」 パチン 「うわ暗っ!!!」 「喧しい。早く行くぞ」 俺と海斗は月明かりで照らされた廊下を進み、階段を下りようとしていた。しかし… ア…アア……。 「ん?」 俺と海斗は二人とも同時に疑義の声を漏らした。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加