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「なぁ…変な声が……」
「だよな……ん?……航樹、階段の踊場に誰か居るぞ…」
俺は海斗の指差す方を見た。そこには広い踊場で白いワンピースを着て、腰まである長い髪が印象的な女性が一人ぽつんと突っ立っている。
「……どちら様?」
と、つい俺は呟いてしまった。
すると踊場の女性はゆっくりとこちらを向き、そしてゆっくりと階段を上り始めた。そして…
ア…アア…アァァアア!
と海斗並の奇声を発している!
「誰が俺並だ!つーか…逃げるぞ!!」
俺達は階段を下らずに歩いてきた廊下を猛然と走り抜けた。
「何なんだよあれは!?あれか?!新手の生徒ですか!?」
と少々テンパりながら走る海斗。何か……ウケる。
「ウケんな!!」
もと居た教室に走り着いた俺達は息を切らしながら教室から廊下をチラチラ見て先程の奇女が来ないかを確認した。
「海斗…さっきの答えだが…あれは…夜中に学校を見回るお姉さんだろう」
「そのお姉さんは奇声を発しながら階段を上るのかい航樹君?」
「あぁ…それは…上る時に階段で小指をぶつけたんだろ」
「……一理あるが……」
アアア…アァァAahh!!
「キターーー!!しかも英語的な発音が混じっとるがな!」
「落ち着け海斗!落ち着きなさい!とりま隠れて様子をみよう」
俺達は教卓の陰に見を潜めた。
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