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─某ショップ
免許を取った渉は建次のトレノを買った店…ガレージRSという店に来ていた。
もちろん愛車を探すためである。
「すいませーん」
「おっ‼建次か。いらっしゃい。そっちが例の渉君か⁉」
「初めまして。高橋 渉です。」
「ああよろしく。俺はこのショップガレージRSのオーナーの三上だ。渉君はクルマ探してんだろ⁉どんなクルマがいいんだ⁉」
「えっと…FRのスポーツカーがいいんすケド…💦」
渉が慌てて言う。
「FRスポーツか…よし。ついてこい。」
三上は渉をショップの裏手に連れて来た。
「ボロばっかだがまぁ気に入ったのあったら言ってくれ。」
そこにはショップで売っているクルマが沢山置いてあった…が、どれもこれも事故車や不動車ばっかだ。
「…まともに走るクルマあるのか⁉」
渉が呆れながらクルマを探していて、ふと目を止めた一台があった。
「ん…このクルマ…外観は汚れてるケド…リトラクタブルライトにハッチバック…建次のハチロクに似てるけど全然違うクルマみたいだな…」
渉は三上を呼ぶ。
「このクルマなんですケド…」
渉がさっきのクルマを指差して三上に聞く。
「これはS12シルビアだよ。たしか車検切れでウチにきたバリモノだよ。これがいいのか⁉」
「これがシルビア…はい。こいつにします‼…ところで…」
渉が言葉を濁す。
「あーもしかして金か⁉」
「…はい。💧今はバイトの給料10万しかないんです…」
「5万円ね。」
「……………。」
…しばしの沈黙。
「ええぇぇっ‼‼‼⁉」
渉の叫びがガレージRSに響いた。
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