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『ギャヒャアアアアッ』
「うわあああ‼セナさんどうすれば…」
「とりあえず…そりゃ‼」
瀬那はサイドを小刻みに引いてシルビアの挙動を制御。スピンを止める。
「今‼フルブレーキして‼」
「えぁ💦はいっ‼」
『ギギイッヒャアアアアアッ💥』
挙動が安定したシルビアが減速していくがスピードは思ったように落ちない。
「うわぁっ‼‼‼‼‼‼」
『ガシャアン💥』
シルビアは正面からガードレールに激突。バンパーやボンネットが凹みラジエターから冷却水が滴る。
「あうう…」
顔面修羅場のシルビアを見て魂が抜けた様になっている渉。
「気にするなよ。無免の渉に運転させた俺が悪いんだよ。大丈夫。このシルビアは保険が効くからさ。」
瀬那が諭すように言う。
「セナさん本当にすいませんでした。」
「良いって良いって。渉が無事だっただけいいよ。クルマが嫌いになっちゃったかな⁉💧」
瀬那が渉の頭に手を添えて言う。
「…いや。俺この夏休みの間に免許とって走り屋になります。」
「あはは。その意気だ。今みたら俺のシルビアはラジエターが逝っただけだからこのまま乗って帰るよ。またね。渉と建次。」
「さよならー。」
二人は小さくなっていくシルビアを見送り、建次が渉にいった。
「走り屋はヤダって言ってたお前はどこに行ったんだよ。」
「やっぱ上手い人に教えられると考え変わるね。」
「何が言いたい…⁉」
「別に⁉さあ帰ろうぜ。もうすぐ夜だ。」
「はいはい。」
二台の自転車が定峰峠を下っていった。
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