鬼と虎の共乱

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青龍刀と方天戟の刃がぶつかり合い、火花を散らせながら呂布と関羽は打ち合っていた。 金属音は止まず、辺りの弓兵士達は呂布に向かい弓を構えるが、手出し無用と関羽が言葉を放てば弓を引き、二人の打ち合いを唖然として見ていた。 「軍神の力はこんなものか…!!」 「まだまだ、これで終る訳には行かぬ…!!」 呂布の激しい攻撃に、関羽は押されながらも呂布を見ては青龍刀を薙払い、呂布との距離を空けた。 二人の合間に無言ながらも、気迫が漂い、見る者が息を呑んだ。 そんな中、孫策と夏候惇は闘いを楽しんでいた。 覇王と滅麒麟牙を互いに構えては、再び駆け寄り、激しく打ち合いを始めた。 孫策の拳が夏候惇の頬をかすめれば、夏候惇の剣が孫策の服を僅かに切った。 「っと!!危ねぇ危ねぇー!」 「中々やる様だな…!小覇王サンよ…。」 常人では見えないのではないかという程に、激しい打ち合いは止む事を知らずに闘神の如く互いに攻撃を続けていた。 「曹操様…!只今裏門にて、逆賊孫策と呂布が関羽殿と夏候惇殿と交戦してる様です!!」 「何…?元譲と関羽とだと…?」 曹操は兵士の言葉に眉を寄せて、静かに呟いた。 横で聞いていた劉備は関羽という名にピクンと微かに反応した。
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